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(ミンダナオ島  コタバト空港)

 セブからディポログ、パガディアン空港を経て
 ミンダナオ島の軍 事最前線 コタバト空港に着陸しました。

 コタバト近郊を飛んだ民間ヘリコプターが
 イスラムゲリラの狙撃で孔だらけになって
 セブに帰ってきた事が有ると聞きました。

 パガディアン⇒コタバト間は陸上を低空では飛べません。
 海岸線を2NM離れて飛びました。
 あれがコタバト空港だよとcaptainビゴテが指差します。

 あの山の中腹、見えないかい? 
 見えません! 

 当然海岸付近だと思ったのに
 彼の指示どうり飛ぶとドンドン山の中に
 と云うよりも切立った崖に向って機を飛ばす事に成ります。

 崖まで1NMの地点で
 左旋回ファイナルアプローチで直ぐ着陸でした。

 滑走路口(スレッショルド)は崖で、滑走路は波打っていました。

 速度を落としてエプロンに入ると
 装甲車が御出迎えして呉れました。
 何度かゲリラの襲撃を受けていると聞きます。

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(ミンダナオ島 イピル空港 クロスカントリーフライト)

 30分程で離陸、離陸して直ぐ右側に小高い丘
 あそこから狙われたら一発だなあと思い
 左に変針しドンドン昇りました。

 3000fまで 3000fまで 
 未だか未だかで心臓パクパクでした。
                            
 コタバトからジェネラルサントスまで100nm(180㌔)途中
 ブルアン湖の上空を通過しました。

 此処がマギンダナオ地区
 古くからのイスラム地帯です。

 荒木いさお氏著『ミンダナオ島戦記』の世界です。

 コタバト⇒ブルアン湖までの80㌔は一面の田畑

 低地平野で河も多く水も豊富
 大規模で整然としたプランテーションも有り

 私的な滑走路を持つ農場も有りました。
 耕作に適しており、豊かで古くから
 文明も開けた地帯で有る事が分ります。

 ブルアン湖は可也大きな湖で上空から見ると
 其処だけ雲がポッカリ在りませんでした。

 此の辺りからの道路はジェネラルサントスまで実に良く整備されて居り
 下を行く車の速度も相当で
 フィリピンでは珍しいと思いました。

 軍事的輸送力の確保とも思われます。


 格して山間を抜けると

 広大なジェネラルサントスの荒野が広がり
 コレマタ成田空港より大きな
 ジェネラルサントスの空港に着陸しました。

 横風がツヨカッター、ドウナルカと思った。

 良かった・良かった!。

 着陸してから西側の荒地を見ると
 メキシコの砂漠の中かと思える様な奇妙な地形。

 此処がフィリピンか ? と思う様な
 厳しく・刹獏とした世界。

 フィリピンも広いねー!。

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(航空地図 ミンダナオ)

  エプロンから出て空港レストランに向う途中
 やたら態度のデカイ空港警備のオニイチャンが遣って来ました。

 「ハーイ・captainビゴテ」、ビゴテ氏は厭な顔
 「セブまで返るのなら僕の友達を乗せていって呉れよ」と
 堂々として、さも当然に言いました。

 此の若造は職権を笠に着て此れで商売をしているらしいのです。
 流石フィリピン、汚職の天国。

 それを断って昼食後ダバオへ飛び

 給油後ミンダナオ島東海岸沿いに北上し
 着陸できる空港は全て降り、セブに帰着夜6時半

 今朝は6時に出発しています。
 本日飛行時間9時間、着陸空港8ヶ所。

 目標フィリピン全空港制覇
 ミンダナオ島東海岸北上した日本人操縦士は
 僕とcaptainビゴテだけでしょう。

 でも何にも無かったですよ。
 サマール島東海岸と同じですね。

 帰着時、後部席のフィリピン人アシスタントも
 captainビゴテも ふらふら状態。

 captainyamaナンでソンナに元気なんだい?
 ・・・『そりゃあ僕はお金払ってるもの、元取る為に必死だよ』 

 日本でコンナに無茶な飛び方する人居ないでしょうね!
          

         それではまた後日  
minda


 物騒なミンダナオ島に比べ日本は何と平和なことか!
札幌近郊の我が家の上空まで飛んだ楽しい映像を載せます。