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(愛機 RPC2706 これで200時間飛びました)

 紺碧の空、白い雲、
 椰子の木が風にそよぐ南の島セブ。

 野焼きの煙りが南に棚引くセブ島の上空1500フィート。

 セブマクタン国際空港を離陸して
 レイテ島タクロバンに向かいます。

 僕は有視界飛行のパイロットです。
 国際空港であるマクタンはIFRが主体の空港です。

 僕達VFRは隅に追い遣られ肩身の狭い飛行をしています。
 セスナの操縦 興味有りますか。

 沢山の航空機が集る空港周辺は
 空港管制塔の管理下に有ります。

 セブは空港から半径15海里(27㌔)が管制圏です。
 有視界飛行は高度1500f(450m)が上限です。

 Runway04を離陸した場合
 
 有視界の航空機は
 海岸沿いの5㌔幅程の狭い廊下のような区域を
 北に向かって飛ぶ事になります。

 東の海上は全て
 計器飛行の大型機の離着陸経路に指定されて居るのです。

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(珊瑚礁の島々 ボホール島地域)

  皆さんがセブマクタン空港に離着陸する空域には
 僕達小型機は立入り出来ないのです。

 どうぞ御安心を。

 フィリピンでは小型機の夜間飛行も禁じられています。
 大型機に衝突する事は有りませんので
 此れも御安心下さい。


 しかしサテ! 
 隅の狭い空域に追い遣られた僕達小型機は
 心穏やかでは有りません。

  遅いとは言え飛行機、時速200㌔
 対向機も200㌔
 合計時速400㌔で擦違う事に成ります。

 同高度で100mの距離なら完全にニアミスです。
 怖ろしいー!。 

 100mの高度差なら楽勝です。

 処が此の空域、高度差100mは獲れないのです。

 だからパイロットは
 他機と管制塔との無線交信を
 耳を澄ませてジット聞いているのです。

 誰が何処を飛んでいるか
 近ければ事前に回避操作をします
 死にたくなければ。

 日本のように
 管制官がレーダーで親切に教えては呉れません。
 腕の悪い奴は死にます。
 次は御前だ!  

 否定出来ないから怖ろしい!
 
 レーダーは有る事に成って居ますが
 動いている気配は有りません・・? 

 此処はフィリピンです。 
 

 怖いですよーーん!

PICT1245-y
(セブの碧い空) 


 空港管制圏は15NM
 
 ダナオ市上空で終ります。
 此処が1500f(450m) 高度制限の始点と終点です。

 マクタンに着陸する有視界飛行の小型機は
 徐々に高度を落し
 ダナオ市上空で1500fにして
 管制塔に着陸要請の無線連絡を入れます。

 出発機も1500fで管制塔に離空域圏の連絡します。
 同高度1500フィート。
 同時刻の無線連絡なら相手機は目の前です。

 此処が神経の集中の為所。
 敵はどこだー! です。

 此の地点が何を隠そう
 セブ ミツミ電機上空1500fなのです。 

 ミツミ電機の皆さん御安心下さい。
 衝突してもお宅の上には落ちません。 

 どうして ?・・・ウーン 何となく!

PICT1587
(セブ市の花火大会)

 此処でミツミ電機を知らない人に御説明しますと

 此の会社は日本では知られて居ませんが
 セブでは従業員2万人の超大型企業。

 ダナオ市の経済は此の一社で支えています。
 セブの花火大会に大型の協賛をしたり。

 多分、工場長はセブ州知事より尊敬されて居るでしょう。
 日本企業です。

 此の巨大企業の巨大工場の
 巨大屋根が
 天気の悪い日でも上空1500fでハッキリと確認出来るのです。

 御分かりに成りましたか
 セブマクタン国際空港の航空事情。

 カクシテ僕のセスナ172は
 ダナオ市上空から進路を東北東に取り

 サンシャイン・ビーチ・リゾートの上空を過ぎ
 2500fに高度を上げて
 レイテ島タクロバンに向って飛行を続けるのでした。

 ミツミ電機の皆さん脅かして御免なさい、安心して下さい。

                  それではまた後日
 


    

 セブマクタン国際空港からの離陸フライト動画を
 youtubeでupしました。

 機は離陸後南に向かっていますが
 ミツミ電機ダナオ工場は反対の北方向になります。



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(セブビジネスパーク中心地)