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 (ホテルの窓から見えるカーサブランカ市内) 
 
 朝早く眼を醒まし、出発の仕度を終え、

 時間があったので
 窓のカーテンを開き
 ホテルの7階の部屋から出勤を急ぐ人達を見ていました。

 男性が圧倒的に多いのですが
 歩き方がとても格好良いのです。

 背筋をピンと伸ばし足をサッと前にだし
 踵から踏み込んでいく歩き方です。

 顎をひきお腹を引締め颯爽と歩くのです。
 若い男の子は全員がそうです。

 下を向いてトボトボ歩いたり
 ポケットに手を入れる輩は居ません。

 前を向いて真直ぐに歩いて行きます。
 だから速い、若々しい、清々しくてカッコイイのです。

 金が無くても
 空元気でも斯う云う歩き方をしていると
 運が開けてくると僕は思うのです。

 カサブランカは北アフリカ最大の商業都市です。
 前日着いて街を歩き回り
 街中のホテルのセキュリティーに道を聞いても
 笑顔で教えて呉れました。

 此の街の人が好きに成りました。

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(フェズ旧市街 丘の上に迷路のような街があります)
                
 世界一複雑なスーク旧市街と云う
 フェズの町を歩き楽しい一日を過しました。

 夜、ベリーダンスが見たくなりガイドに頼むと
 大学生のガイド助手を附けて呉れました。

 タクシーで夜のフェズの街を猛スピードで駆け抜けます。
 昼とは違う夜の顔を見せて呉れます。

 どの街も朝・昼・夜と違う顔を持っています。
 だから夜歩きは止められません。

 新市街の細い路地の入り口で車は停まりました。
 此処からレストランまで暗い路地を歩いていきます。

 幅4メートル程の石畳の道、両脇は三階建て程の石造りの壁です。
 歩くと革靴の底が石畳にあたる音で
 コンコンと反響音が響きます。

 26歳の大学生の助手と並び
 明かりが僅かな石畳の路地を颯爽と歩きました。

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(狭い路地 両脇の壁はかなり高い)

 向うからも2人組みが颯爽と歩いて来ました。
 スピードを落す事無く擦違いました。

          
 日本だと眼を飛ばした云々と
 因縁を尽けて揉める事があります。
 
 でも誇り高きイスラムの国では即殴り合いになります。

 日本のような睨み合いは無いのです。

 法律よりもイスラム道徳の世界、男の世界です。
 だからツマラナイ諍いは少ない、と僕は思います。

 レストランに着いてヤヤすると
 日本人の団体が入ってきてベリーダンスショウは始まりました。

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(名物 水売りのおじさん)

 大学生のガイド君は地理学が専攻で
 お金が無くなると休学して働き、貯まると復学する生活を続け
 今26歳だと云います。

 立派な大人です。
 日本の大学生とは違います。

 地理学だからスペインにも行ったのかと訊くと
 ビザが取れないと言います。

 隣の国ですが色々有るのですね。


   
 マラケシでは
 ファンタジアショウと云う騎馬戦争のショウを見ました。

 各20騎程が400m程離れて向かい合い
 空砲を撃ちながら擦違うのですが迫力有りました。

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(早朝の砂漠見物 真っ暗です。車の彼がドライバーです)

 カスバ地区では砂漠を4WDで走り朝日を見ました。
 ドライバーは砂漠の民のターバンを巻き
 鋭い眼だけを光らせ
 真っ暗で何も無い砂漠に4WDを走らせるのです。

 眼だけが異常で
 何人殺して来たのかと云う
 底冷えのする様な眼なのです。

 モロッコの民
 ベルベル人と云うのは砂漠の民なのですね。

 道理で歩き方からして一本筋が通っているハズです。

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(皮を染める工場 匂いがきつい)

 10日間でモロッコを一周しました。
 感想を言うと
 此の国はアトラス山脈を境に
 文明と非文明の狭間に存在しており

 革製品の加工等が有名な割には技術が低く
 金属加工も輸出商品に成る程の技術も有りません。

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(マラケシュ)

 欧州への出稼ぎも有りますが
 取分けて多いと云う事も有りません。

 アルジェリア・チュニジア・リビアは未だ行って居ませんが
 多分、北アフリカ、ベルベル人の文化は
 現代西欧文明のレベルに近づく事は当分無い

 恐らくインドのtake offの更に後に成ると僕は思いました。

 唯、尊敬すべきイスラムの道徳をしっかり持って居る民族で
 精神性も高く
 格好良い歩き方は羨ましいと思います。



            それではまた後日

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(御土産屋さん  金属具を売っています)